スギ花粉症を対象とした減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「シダトレン®スギ花粉舌下液」の国内製造販売承認取得について
2014年1月17日
鳥居薬品株式会社
鳥居薬品株式会社(本社:東京、社長:髙木正一郎、以下「鳥居薬品」)は、スギ花粉症を対象とした減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「シダトレン®スギ花粉舌下液」(以下、「シダトレン」)について、「スギ花粉症(減感作療法)」の効能・効果で、本日、日本国内において製造販売承認を取得しましたので、お知らせいたします。
シダトレンは国内で初めて承認された、舌下に投与する減感作療法薬であり、従来から施行されてきた皮下注射による減感作療法と比べ、自宅での服薬が可能であり、注射による痛みもなく治療ができることなどが特徴です。
国内で実施した、スギ花粉症患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験において、有効性の主要評価項目である「総合鼻症状薬物スコア」が、本剤投与群ではプラセボ投与群に比べ統計学的に有意に低下、スギ花粉症症状の軽減効果が確認されています。
鳥居薬品は、シダトレンがスギ花粉症治療の新たな選択肢として貢献できることを期待しております。なお、発売時期については薬価収載後、決定次第お知らせいたします。
本剤の概要
製品名
シダトレン®スギ花粉舌下液200JAU/mLボトル
シダトレン®スギ花粉舌下液2,000JAU/mLボトル
シダトレン®スギ花粉舌下液2,000JAU/mLパック
効能・効果
スギ花粉症(減感作療法)
用法・用量
1.増量期(1~2週目)
通常、成人及び12歳以上の小児には、増量期として投与開始後2週間、以下の用量を1日1回、舌下に滴下し、2分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがい・飲食を控える。
1週目増量期 | 2週目増量期 | ||
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シダトレン スギ花粉舌下液 200JAU/mL ボトル |
シダトレン スギ花粉舌下液 2,000JAU/mL ボトル |
||
1日目 | 0.2mL | 1日目 | 0.2mL |
2日目 | 0.2mL | 2日目 | 0.2mL |
3日目 | 0.4mL | 3日目 | 0.4mL |
4日目 | 0.4mL | 4日目 | 0.4mL |
5日目 | 0.6mL | 5日目 | 0.6mL |
6日目 | 0.8mL | 6日目 | 0.8mL |
7日目 | 1mL | 7日目 | 1mL |
2.維持期(3週目以降)
増量期終了後、維持期として、シダトレン スギ花粉舌下液2,000JAU/mLパックの全量(1mL)を1日1回、舌下に滴下し、2分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがい・飲食を控える。
承認条件
舌下投与による減感作療法に関する十分な知識・経験を持つ医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師・医療機関のもとでのみ用いられ、薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
スギ花粉症について
スギ花粉症は、スギ花粉によって生じるアレルギー疾患の総称で、主にアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎を生じます。スギ花粉が患者の鼻に入ると、直後にくしゃみ、鼻汁が生じ、少し遅れてから鼻づまりが生じます。また、患者の目にスギ花粉が入ると早くから目がかゆくなり、涙が流れ、目が充血してきます。症状が強いときは、鼻で吸収されなかったスギの抗原成分が鼻から喉へ流れ、喉のかゆみ、咳を生じます。また鼻づまりによる頭痛、鼻や喉の炎症反応による微熱、だるさなどの症状が生じます。
ひとつの全国調査によると、国民のおよそ20%が花粉症に罹患していると考えられており、そのうち約70%はスギ花粉症であると推察されています。
(参考:「的確な花粉症の治療のために」
平成22年度厚生労働科学研究補助金 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業より)
減感作療法(アレルゲン免疫療法)について
減感作療法(アレルゲン免疫療法)とは、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを、低濃度、少量から投与し、徐々に増量、高濃度へ移行させ、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法です。
鳥居薬品では、減感作療法に関する正確な情報の普及のため、以下の一般向け情報提供ウェブサイトを2014年1月27日(月)にオープンする予定です。
●トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ●
http://www.torii-alg.jp/
スギ花粉症治療薬の開発について
鳥居薬品では、スギ花粉症に対する減感作療法薬「TO-206」(舌下錠)の第Ⅰ相臨床試験を実施しているほか、独立行政法人理化学研究所と共同してスギ花粉症ワクチンの開発に向けた研究を継続しております。
以 上
お問い合わせ先
鳥居薬品株式会社
<報道関係者、株主・投資家の方>
経営企画部 広報担当 TEL.03-3231-6814
<患者様、医療関係者の方>
お客様相談室 TEL.0120-316-834